Vary(ファーリ)とRomazava(ルマザーバ) ...マダガスカル
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この国の主食はお米です。写真は安食堂の典型スタイルで、ファーリ(ごはん)、肉おかず(写真はプティケーニャ)、ラヌフラ(おこげ茶)、サカイ(辛いペースト)、サラダ(写真はコンコンブル)。そして特筆すべき写真左の「ルマザーバ」です。野菜が入った苦茶のような汁だったり肉のゆで汁だったりするマダガスカル版のお吸い物で、ファーリをゆるめるために添えられます。
Akoho(アクー) ...マダガスカル
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アクーは鶏。鶏のトマト煮は食堂メニューの定番で、Akoho saosyまたはAkoho sauce(どちらもアクーソス、ソスはフランス語のソースに由来)とメニューに書かれることもあります。マダガスカル南部では毎日アクーしか食べるものがなく、アクー連続攻撃に遭っていました。なお、鶏のすっきりスープ煮(水炊きのようなもの)に出会うこともあり、これはAkoho ro(アクールー)といいます。
Kisoa(キスー、キソア) ...マダガスカル
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キスーはずばり豚という意味。圧倒的に多いのが、トマト少々と共に煮込んだものです。汁と共に供するのでKisoa sauce(キソアソス)とメニューに書いてあることも多いですね。ところでマラガシー(マダガスカル語)では末尾の「a」を読まず「o」を「ウ」と発音するはずなのに、現地の人はキスーと言ったりキソアと言ったりしていました。
Ravi toto(ラヴィトゥトゥ) ...マダガスカル
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マニオク(キャッサバ)の葉を臼でついて細かく砕き、鍋の中で豚肉に絡めたものです。ラヴィトゥトゥに用いられる葉はマニオクに限られます。だから、コンゴ民主のソンベ(≫
こちら)のような美味しさがあり、これをごはんとあわせていただきます。マダガスカル人に言わせると、「これぞマダガスカルの郷土料理!」だそうですよ。
Potikena(プティケーニャ) ...マダガスカル
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ひき肉のそぼろ煮です。これをごはんに乗せていただきます。そぼろごはんですもの、日本人ならきっと大好きな味!
Rano vola(ラヌフラ) ...マダガスカル
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マダガスカルの食堂で、注文したおかずと共に出されるのが、このおこげ茶です。ご飯を炊いた鍋にお湯を張ったもので、お鍋もきれいになって一石二鳥ですね。きっと日本人なら好きな味ではないかと思います。なお、ラヌは水という意味なのですが、食堂で「ラヌ!」と注文するとこのラヌフラが出てきます。
Concombre(コンコンブル) ...マダガスカル
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いわゆるきゅうりサラダです。田舎の安食堂には、大きなボウルにドンとこのサラダが置いてあります。田舎では鶏か牛のトマト煮込みとごはんだけ、というところが多く、野菜不足を解消するのがこういったサラダなのです。皮むききゅうりとカットオニオンに酢と水と塩と黒胡椒、それだけのことなのにとってもとっても美味しくて、日本でも是非作っていこうと思いました。
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炒めスパゲティー全般を指す言葉のようですが、圧倒的に多いのが、カレー粉で風味をつけた少々の野菜入り炒めスパゲティーです。塩味はしっかりついていて、カレー風味がこれまた美味しく感じます。青ネギ入りのミサオが美味しいですよ。名前はおそらくベトナム語のMi xao(麺を炒める)から来ているものと思われます。フランスつながりなのですか?
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肉の串焼きです。スワヒリ圏のミシカキと同じ語源ではないかと思われます。お肉は小さめなのですが、1串6円ほどで食べられるので、1人10串くらいドンと注文します。
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マダガスカル各地で、カゴをかついだ歩き売りの生ガキ屋が見られます。1ダース食べても30円といった価格ですから、是非気軽に試してみたいものです。マサガはマラガシー(マダガスカル語)です。フランス語ではユイットールと呼ばれます。
Soupe Chinoise(スープシノワーズ) ...マダガスカル
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直訳すると中国の汁、これがマダガスカルに広まっています。店側は予めかんすいなしの白メンに具を乗せておきます。そして客の注文が入ったらアツアツの中華スープを注ぎ、客は好みでサカイ(唐辛子ペースト)や醤油(これが嬉しい!)を注ぎます。鶏ダシ系で美味しいのですが、お店によって当たり外れがあるのも事実です。
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かつてマダガスカルはフランスの植民地でした。首都アンタナナリブを始め、都市にはフランス料理店が散見されます。ときたまの本格的なフルコースもいいけれど、写真のような雰囲気の、ワイン片手におしゃべりを気軽に楽しむ、そんなビストロに何度も通うのも素敵ですね。
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ムフガスは水で溶いて甘みをつけた米粉をたこ焼き器のようなもので表裏焼いたもの。ふっくらしていながら、ごはんの甘みが感じられる庶民のおやつです。カフェは濃くて甘いコーヒー。このムフガスは6円、コーヒーは3円というのですから、マダガスカルはちょいとおやつ休憩をするのが気軽に楽しめるのです。
Yaourt maison(ヤウールメゾン) ...マダガスカル
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直訳すると「家庭のヨーグルト」。自家製ヨーグルトはマダガスカルの食堂によく置かれています。酸味も甘みもマイルドな、柔らかい味のヨーグルトです。
THB(テーアッシュベー) ...マダガスカル
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テーアッシュベーはマダガスカルの国民的ビールです。ピルスナーと表示されたものは普通のビールですが、驚くことに「FRESH」(フレッシュ)と表示されたものは、レモン味のビールなのです。その他フレッシュの中でもミント、ポム(りんご)、フランボワ(いちご)の味もあります。
Vin Gris(ヴァングリ) ...マダガスカル
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ヴァングリとは、英語でならグレイワインのことです。マダガスカルのフィアナランツォ近郊のワイナリーで作られます。見た目はロゼのような、ロゼほどは鮮やかでない色のような、そんな感じですね。味は梅酒に似ています。グレイワインは珍しいので、マダガスカルで是非お飲みください。
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