
いわゆるアラビックコーヒーのこと。カルダモンを利かせて淹れた薄いコーヒーは、本式は写真のようにカップにちょこっとだけ入れて客人に供します。簡単に飲み干せるので、飲み終えるとすぐに次が注がれるのです。「もう要りません」という合図(カップを2本の指で挟み持って振る)をするまで、ガフワのおかわりは続きます。
Hommos(ホンモス) ...バーレーン

これは広くアラブ諸国の定番食になっています。ゆでたヒヨコマメの裏ごしとタヒーニ(ごまペースト)、にんにく、レモンで作ったなめらかペーストです。ごまもレモンもほんのり、味の主体はヒヨコマメと香り高きオリーブオイル。水分の加減がほどよい豆の裏ごしは、口のなかでさらりと融ける冷たくないアイスクリームみたいですよ! ホブス(アラブの薄パン)につけていただきます。
Mutabal(ムタバル) ...バーレーン

これは広くアラブ諸国の定番食になっています。皮をむいた焼きナス、タヒーニ(ごまペースト)、にんにく、レモンを混ぜてなめらかペーストにしたものです。今回食べたものは更にミルクも加えてありました。ナスのふわんふわんとした食感ににんにくやレモンやごまの味、上がけされている香り高きオリーブオイルの風味・・・ホブス(アラブの薄パン)につけていただきます。
Machboos(マチュブース) ...バーレーン

ビリヤニがスパイシー2色米ピラフなら、マチュブース(周辺国のマクブースと同じ)は一色に仕上げたスパイスピラフ。カレーピラフのようで、日本人の舌にも合うこと間違いなし! と思います。写真はマトンのマチュブース。お肉もたっぷりあるのですが、それらを見えないようにごはんで隠しちゃうのが、アラブ流の盛り付けです。
Biryani(ビリヤニ) ...バーレーン

ビリヤニはカルダモンやクローブでスパイシーに作った白・オレンジの2色ライスのピラフのようなもの。パラリとした食感が美味しいです。写真はビリヤニチキン。お肉もたっぷりあるのですが、それらを見えないようにごはんで隠しちゃうのが、アラブ流の盛り付けです。
Halloumi Cheese(ハルミチーズ) ...バーレーン

もとはキプロス産チーズなのだそうですが、アラブ諸国に広がり、バーレーンの伝統料理にも登場するチーズです。弾力が強くて噛み心地が良く、酸っぱくなくしょっぱくなく、味が良いのです。5mm程度にスライスしてグリルするのが美味しい食べ方です。大ファンになってしまいました♪
Taboule(タブーリ) ...バーレーン

アラブ諸国に広く伝わるサラダで、レバノン料理店でも常連の一品です。バーレーンにはそういう料理の流れが大きく入ってきている気がします。刻んだイタリアンパセリにトマトダイスとふかしたウィートジャム(小麦胚芽)を加えたレモン和え。たっぷり食べられるし、健康にも良さそうです。日本で主流のパセリとは種類が違いますが、そのパセリでも似た味が作れます。

「シシ」=串、ケバブは「あぶり焼き調理」。角切りの肉を串刺しにして焼くものや、ひき肉にスパイスなどをブレンドして串に練りつけて焼くものがあります。「シシ」をつけず単に「ケバブ」というだけでも十分通じます。

(通常は骨なしの)肉をあぶり焼きにするのが、ティッカです。肉をヨーグルトやスパイスで予めマリネしておき、その後直火で美味しいあぶり焼きにするのです。写真はチキンティッカ。その他マトンティッカ(羊肉)もあります。

アラブ諸国に広く根付く、薄いパンです。

カルダモンやクローブなどのスパイスを利かせ、ぱらりと炊かれたごはん。オマーンではビリヤニ=カラフル米、マクブース=単色米、ということだったのに、UAEでは2色米のものも1色のものも、みんなビリヤニって呼ばれていました。写真はビリヤニマトン。米の下にたくさんのお肉を隠す盛り付けもポピュラーです。
インド料理、パキスタン料理、他 ...アラブ首長国連邦

UAEの人口のうち、UAE国民はたった8%!! 実に多くのアジア人が労働者としてこの国にやってきています。すなわちUAEの日常生活で目にする庶民の食事はインド、パキスタン、バングラディシュ、フィリピン料理・・・、となりかねません。インド料理の場合は南インド料理が主体となります。

薄いクレープ。UAEの土地で古来より作られていた食です。伝統的な黄金仮面をつけるおばあちゃんが焼いてくれました。溶き卵とチーズ入りをいただきました。

薄いホットケーキ、ほんのりした甘さがありますが、上に蜜をかけます。UAEの土地で古来より作られていた食なのだそうです。

カルダモンなどのスパイスが利いた、甘くない(または甘さ控えめ)、薄めのコーヒーです。満タンまで入れず、飲む側が「もう要らない」という合図(空のカップを左右に振る)をするまでおかわりが続きます。銀行の順番待ち椅子の傍らなどにもガワが置いてある、気が利いている。
Makbus(マクブース)とRop(ロプ) ...オマーン

オマーン人に聞きました。「ビリヤニとマクブースの違いは何ですか?」→答えは「ビリヤニは2色のライスでカラフルに炊いたごはん、マクブースはブラウン一色のもの」だそうです。念願叶っていただいたマクブースはカレーピラフのようなスパイシーライスでした。ロプと呼ばれる玉ねぎ&にんじん角切り入りヨーグルトが添えられているので、これをかけると美味しいです。

オマーン人に聞きました。「ビリヤニとマクブースの違いは何ですか?」→答えは「ビリヤニは2色のライスでカラフルに炊いたごはん、マクブースはブラウン一色のもの」だそうです。ビリヤニチキンを注文すると、写真のようにごはんで鶏肉を隠すことが多いのは、盛り付けの定番だと思います。

砂漠の遊牧民料理が今もオマーンの国民食。マンディは同じアラビア半島にあるイエメンが起源とされる、「炙られた味つき肉」をごはんと共に提供するものです。鶏肉や羊肉を塩・香辛料・色素に漬け込み、オーブン焼きまたは油に通して調理します。写真はダジャージ・マンディ(ダジャージ=鶏肉)、または英語交じりでマンディチキンと呼ばれます。ごはんとセットになって提供されます。
Kadie(カダイ) ...オマーン

カダイは鉄鍋料理を指す言葉。私たちがいただいた「マトン・カダイ」は、あめ色玉ねぎがいっぱい入ったような甘さ&旨みが素晴らしく映える、羊肉とスパイスの煮込みでした。高級料理のようで、他の煮込み料理よりちょっぴりお値段お高め。

オマーンの思い出の1つは、このナシーフ。肉をスパイス多種と共に煮込んだものです。
ホドラorホダラ ...オマーン

オマーンでは食事を注文すると無料で生野菜セットがついてくること多々。ホドラ(orホダラ)は英語のVegetableに相当する言葉ですから、野菜の種類は何でも構いません。トマト、きゅうり、キャベツといったラインナップが多いです。ドレッシングなどはなく、味付けは添え付けのレモンに食卓の塩こしょうで。

アラブの薄パン、ホブス。オマーンのホブスは薄い層が幾重にもなっており、クロワッサンのような食感が心地良いんです。アラブ諸国のホブスの中でも一番好きなタイプです♪
インド料理、パキスタン料理 ...オマーン

オマーンで安飯を求めると、よく見出しのようなアジア系料理に遭遇します。インド人、パキスタン人、またバングラディシュ人といった労働者が多いという背景によります。写真は魚とナスのカレーにごはんに生野菜サラダ。ごはんとカレーの汁はおかわり無限大ということが多いです。安くお腹いっぱいになれるから旅行者としては嬉しいです。
センヌース ...オマーン

オマーンでは食後にアニスの種を食べる習慣があります。スッとした香りが、消化に良いそうです。写真上は安食堂にあるセンヌース、裸のアニスです。写真下は高級料理店でいただいたセンヌース、アニスシードに砂糖がけが施されてお菓子のようになっています。
トロピカルフルーツ ...オマーン

オマーン南西部、イエメン国境に程近いサラーラの街では、路上トロピカルフルーツ屋の数の多さが新鮮に感じます。写真左は「パパイ」(パパイア)、写真右は「ナールギール」(ココナッツ)。「モウズ」と呼ばれるバナナも美味しかった♪
فول(フール) ...イエメン

イエメンのまさに国民食。にんにくとスパイスが利いたマッシュ状のとろとろのスープで、めちゃうまです。パン類(平たいホブスか細長いルーティ)と共にいただきます。フールしか店にないことも多いけれど、連続して食べても最後まで飽きませんでした。イスバス(青とうがらし、たいてい無料)をかじりながら食べるフールは一層美味しいです。
بيضة(ベールorベイドorバイド) ...イエメン

ベイドまたはバイドは、卵という意味のアラビア語です。イエメン定番のこの料理は、玉ねぎ、トマト、煮豆(にんにくと香辛料で実に美味)、ししとう、トマトピューレなどを入れてスクランブルエッグにしたもの。イスラエルやエジプトで卵をトマトで調理する料理であるシャクシューカと同じ名前で呼ぶこともできますが、イエメン人はたいていベールと呼びます。
خب(ホブズ) ...イエメン

ホブズはアラブの薄パンです。イエメン料理は別途紹介するサルタ、サハウ、フールといったとろみのあるおかずが多く、ホブスをちぎってつけて食べるのです。写真のような釜で焼くこともあり、見ただけで間違いない美味しさが分かってきます。
سلتة(サルタ) ...イエメン

これぞイエメンを代表する料理。石鍋又は鉄鍋をマグマの如く強熱し、客の注文を受けたらひき肉ソテー、野菜(ナス、玉ねぎ、オクラなど)のトマト煮(フランスのラタトゥイユのようなもの)、少々のごはんを入れてぐらぐらと煮て、仕上げに野菜ピューレ(きゅうりもしくは生オクラ味の、実はフェヌグリーク葉のとろとろピューレ)を乗せて完成。上のピューレの青くささが微妙と思うこと、時にあり。
برياني(ビリヤニ) ...イエメン

イエメンのビリヤニは、周辺アラブ国と同様の、オレンジや白のカラフルなバスマティ米をスパイシーに炒めたものです。色は色素でつけますが、その目で見る美しさもイエメニビリヤニの魅力です。これに素揚げチキンなどの肉類をあわせていただきます。米が上手に油を吸ってパラパラしたものは、美味しすぎてつい食べ過ぎてしまいます。
كبد(キブダまはたギブダ) ...イエメン

キブダは肝臓という意味のアラビア語で、つまりはレバーソテーを指します。写真のように、じゃがいも、たまねぎ、にんじん、トマトなどの野菜と一緒にソテーしたものは、朝食によく登場します。
كباب(ケバブ) ...イエメン

中東広域に見られる肉の串焼きです。ひき肉にスパイスや香草を混ぜて炙ったもの。そのままでも美味しいですし、ホブス(アラブの薄パン)に野菜と一緒に挟んでも美味しいです。
سمك(サマック) ...イエメン

イエメンは海岸線を多くもつ国で、海に面した町ではもちろん魚をよく食べます。サマックは魚という意味のアラビア語です。私たちが滞在したガイダという海の町では、鯛やイサキのような大きな魚を開いてほくほくと焼き上げる料理が人気でした。また、カツオのぶつ切りを素揚げにしてごはんに乗せるものもありました。
زحاوق(サハウ)又はサハウジョブン ...イエメン

トマト、玉ねぎ、きゅうり、香菜、にんにくなどの野菜をヤギのチーズと共にミキサーにかけたものです。酸味が柔らかいものはまるでマヨネーズドレッシングのような美味しさがあります。別途紹介するホブス(アラブの薄パン)につけて食べると実に美味。イエメンでこれに出会ってからは、出国までサハウを何度も食べました。健康にも良さそうな一品です。
زحاوق(サハウ)又はサハウアスカリー ...イエメン

写真は美味しそうなごはん料理? でも立役者は写真左のサハウ! サハウがあってこそ美味しさ倍増! なのです。青唐辛子、香草、トマト、きゅうりといった野菜をミキサーにかけ(もしくはすり鉢などでピューレにして)、時に少々の酸味と塩分をつけたものです。別途紹介するホブス(アラブの薄パン)につけて食べても美味しいです。
مرق(マラック) ...イエメン

イエメンでは昼が主たる食事で、昼に肉類を調理するゆえ肉や骨のゆで汁をスープにします。食事をオーダーすると無料でもらえますし、おかわりも無料です。なお、海岸部の町では魚のゆで汁でマラックを作っていました。イエメンにはユダヤ人が多く離散してきた歴史から、ユダヤ人が二次的にこのマラックを世界に伝播しています。
حلوى(ハルワ) ...イエメン

ハルワはお菓子全般を指すアラビア語です。イエメンの西部では柑橘をグミ状にしたものが特産品のように売られていました。食べてみると、実にこれがマーマレード味。
بن المخاء(モカコーヒー) ...イエメン

モカコーヒーっていう言葉のモカとはイエメンの町の名前です。コーヒーノキがエチオピア原産とは有名ですが、これを世界に広めたのがモカの商人たちという訳です。お味はというと、芳醇な香りとコクがあり、これまでいただいたコーヒーの比しても高得点でした。余談ですがエチオピア産モカコーヒーはモカハラー、イエメン産はモカマタリといった銘柄があります。
الشاي مع الحليب(シャイハリブorシャイマハリブorシャイビハリブ) ...イエメン

シャイは茶、ハリブはミルクという意味のアラビア語だから、シャイハリブはミルクティーです(andやwithという意味のマやビを間に挟むこともあります)。イエメンのミルクティーは茶葉が細かく濃厚で、ミルク(練乳)と混ぜるとオレンジ色に近い濃さになります。ミルクなしのストレートティーもあります。そのときは「ミルクなし」(ラーハリブ等)を伝えるといいと思います。
عصير(アセーラorアシール) ...イエメン

イエメンにはフレッシュジュース屋がたくさん! 1杯20円くらい(レモン、ジンジャーなど)からもうちょっとお高いもの(マンゴーなど)まであり、今日は何を飲もうかと悩むのも楽しい。アセーラ(orアシール)はジュースという意味のアラビア語です。
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